工事の種類:解体工事
工事の地域:大東市
建物の種類:RC造(鉄筋コンクリート造)
建物の構造:RC造4階建
施工面積:各階合わせて約1,000㎡

今回ご紹介するのは、大東市で行った、RC造(鉄筋コンクリート造)の4階建ビルの解体工事の事例です。

RC造4階建ビルの内装の木部や石膏ボードなどを解体

ビル 内部 解体

最初に解体したのは、ビルの内装の木部や、天井と壁に張られている石膏ボードです。

木部と石膏ボードは、建設リサイクル法という決まりに従って分別し、それぞれ別々に処分します。

歩道にキズをつけないよう養生を行い、RC造4階建ビルの敷地内に重機を搬入

重機 搬入中

RC造4階建ビルの解体工事現場内に、2台の小型(3t)重機を搬入している様子です。

(※写真の奥の方に、搬入中の重機が少しだけ見えています。)

重機を積んだトラックは、かなりの重量がありますので、その重みで歩道にキズをつけないよう、養生として歩道にコンパネ(木の板)を敷きました。

(※必要によっては、緩衝材としてゴムマットを使用することもあります。)

2台の小型重機をクレーンで吊り上げて、ビルの屋上に搬入

小型重機 屋上

解体工事は、ビルの屋上から4階→3階→2階→1階と順番に解体を行う(これを、階上解体と言います)ため、アームのアタッチメントの種類が違う小型重機を2台、レッカー車のクレーンでビルの屋上に搬入しました。

 

重機 アタッチメント

右の重機のアーム先のアタッチメントは、コンクリート類を細長い棒で叩いて崩すための、「油圧ブレーカー」です。

また、左の重機のアーム先のアタッチメントは、コンクリート類を、挟んで砕くための「大割り」です。

これら2種類の重機を併用し、RC造4階建ビルの解体工事を進めていきました。

コンクリートの破片が足場の外に落ちないよう、外壁はビルの内側へ倒して砕く

解体工事 進行中

ビルの外壁は、写真の様にある程度の大きさを維持した状態で、いったん内側へ倒し、それから細かく砕いていきました。

ある程度の大きさを維持したビルの外壁を、内側へ倒してから砕く理由は、砕いたコンクリートの破片が、地上に落下し、下を通る人に当たってケガをさせてしまったり、物に当たって破壊してしまうことを防ぐためです。

 

4階解体中

2台の小型重機、そして作業員が一緒に動いていますので、重機同士あるいは重機と人の接触事故が無いよう、常に周囲の安全確認を行いつつ、解体作業を進めていきました。

また、鉄筋とコンクリートの分別と、解体時に土埃が舞うのを防ぐための散水を、手作業で行っています。

 

4階 解体中

※ビルの屋上を解体した後、4階部分の解体工事を進めている様子です。

 

小型重機が、階下へ安全に下りられるように、コンクリートの破片等をなだらかに整えて、写真右のような「スロープ」を作りました。

ビル3階の解体からは大型重機を併用

RC造4階建ビルの屋上と4階部分の解体が終われば、次は3階、2階、1階の順で解体工事を進めていきます。

ビル3階からは、手作業と小型の重機だけではなく、大型重機も使って、解体作業を行いました。

 

大型重機

当然のことかも知れませんが、小型重機と手作業だけで解体工事を進めていくより、大型重機を使用して解体していく方が、工事は早く進みます。

 

※大型重機のアームで、コンクリートの壁や床をはさんで引き崩し、解体している様子です。

 

2台で解体作業中

写真のアングルの都合上、分かりにくいかもしれませんが、写真(右)にあるのが大型重機、写真(左)にあるのが小型重機です。

写真の段階だと、大型重機では進入できず、解体できない場所も多くありました。(アームが届かない等)

そこで、大型重機では解体できない所を補う形で、小型重機を併用し、効率よく解体作業を進めていきました。

 

床 解体中

大型の重機で、ビル2階の床を崩している様子です。

ビル敷地の奥に向かって、ビルの床を崩していくことで、大型重機の可動域が広がり、解体工事を進めやすくなりました。

ビルの床を抜くと、RC造4階建ビルの外壁のみ、残る状態になります。

 

2階

写真の段階では、RC造4階建ビルの1階部分は、これまで崩してきたコンクリートの破片(がれき類)で埋まっています。

解体したがれき類の分別と搬出を並行して行う

コンクリート破片 搬出

堆積したがれき類(コンクリートの破片)は、解体作業と並行して分別を行い、トラックで搬出しました。

 

※がれき類の搬出と並行して、解体工事を進めている様子です。

 

解体 進んでいる

この写真の段階では、がれき類の搬出がかなり進み、ビル1階の床が見えてきています。

写真奥の外壁の上に重ねてあるのは、がれき類から分別した鉄筋類です。

がれき類と鉄筋類は、手作業と重機を併用して、分別を行いました。

※手作業でがれき類から鉄筋を取り除く際、「先端が鋭いため、手に刺さる可能性がある」と判断した鉄筋は、先を少し折り曲げて、手に刺さらないような工夫をしています。

 

ビル1階部分の解体工事が、完了まで残り僅かとなったところです。

ちなみに、解体作業をビルの屋上、4階、3階、2階、1階の順で進めるに従い、解体が終わった階の足場と防音シートを撤去しています。

解体途中のビルの高さが低くなった状態で、ビルよりも高い位置の足場に防音シートが張られたままだと、風のあおりを受けて、大きく揺れた足場と防音シートが倒れてしまう危険性があるからです。

RC造4階建ビル地上部分の解体後、地中梁(地中に埋まった建物の基礎)を解体

ここから地中梁の撤去

RC造4階建ビル地上部分(屋上~1階)の解体工事が、完了しました。

※写真のくぼみは、1階の土間コンクリートを撤去した跡のくぼみです。

ここからは、地中梁(地中に埋まった建物の基礎)の解体・撤去を行っていきます。

 

地中梁撤去中

地中梁を撤去するために、重機で地面の深いところを掘るので、上の写真のように水が湧いてくることが、よくあります。

そのような場合、解体・撤去作業の妨げになると判断したタイミングで、適宜ポンプ等で水を吸い上げて、排水していきます。

 

撤去

※地中梁の解体・撤去を進めている様子です。

 

埋め戻し

地中梁の解体・撤去作業は、”全て撤去してから、土を埋め戻す”のではなく、”少し撤去して埋め戻し、少し撤去して埋め戻し……”を繰り返して、進めていきました。

もし、一気に地中梁を撤去してしまうと、後の埋め戻し作業を、基礎のない地面で行うことになります。

特に、今回の解体工事現場の地面は、湧水の水分を吸ってぬかるんでいましたので、重機の足を取られた結果、転倒事故に繋がってしまう可能性がありました。

重機の転倒事故を未然に防ぐため、地中梁の撤去と埋め戻しを少しずつ繰り返し、重機が足を取られずに作業を行えるだけの、しっかりした地盤を維持しながら、作業を進めました。

RC造4階建ビルの地中梁の解体・撤去後、地面の締固めを行う

撤去後

RC造4階建ビルの地中梁の解体・撤去と、土の埋め戻しの完了後は、地面の締固めを行いました。

湧水と、前日に降った雨のせいで、地面に何ヶ所が水たまりが出来ていたので、それらを排水してから締固めの作業に入りました。

重機では通れないところ(敷地の仕切りのブロックの側の地面など)は、トンボ等を用いた手作業で、均していきました。

 

砕石

地面の締固めの後は、見た目をきれいに仕上げるために砕石を敷きました。

現場の地面は、水分を多く含んでぬかるんでいましたが、乾いた砕石でカバーすることで、サラサラして見えるきれいな地面になりました。

その後、重機の撤収や後片付け等を行い、RC造4階建ビルの解体工事は完了です。

 

“建物を崩す”解体工事では、解体作業を早く進めていくことだけではなく、もちろん安全性が何よりも優先されます。

安全な解体工事を行うため、重機同士の接触事故や、高所からの落下物、建物の倒壊など、様々な部分に気を付けています。

また、環境への配慮として、廃棄物の分別も怠ることはありません。

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