工種:解体工事
建物:木造+鉄骨造
施行面積:122㎡
今回は、大阪府大阪市にて連棟式の建屋(木造+鉄骨造)を解体した事例の紹介です。
【注意点】隣宅の壁と繋がっているので、養生などをしっかり行う
今回の注意点は、壁の解体時にありました。
解体する建屋はタイトルにもあるとおり、連棟式です。
連棟式とは、2軒の建屋が繋がっている建物のことで、構造的には壁を挟んで分離しているのですが、外見上は1軒の建屋に見えるものを指します。
今回の物件は、壁の一部と屋根が繋がっており、解体時には「隣のお宅の壁を傷つけないこと」と「解体時に露出した隣宅の壁に雨養生を行うこと」を徹底して行いました。
また、解体後は壁の補修工事が入るため、足場なども組みなおしました。
交通量が多いため、作業の時間帯などに気をつけた
今回の現場は住宅街の中にありました。
付近に住んでいる方が朝や夕方の通勤・通学時に多く通るので、作業の時間帯には気をつけながら、通行人の方が現場付近を通っているときは作業を一旦止めるなどの工夫をしながら作業を進めました。
連棟式建屋の解体工事内容と各工程での注意点
それでは今回の解体工事の作業内容を紹介します。
【1】足場組み
まず始めに、足場を組んでいきます。
普段であれば四方を囲むようにして足場を組むのですが、今回は連棟式ということもあって、建物が密接しているところには足場を組むことができません。
そのため、今回は上から(上空から)見て「コの字型」に足場を組んでいます。
足場と防音シートがない分、外まで粉塵が舞ってしまうことも考えられますので、適宜散水して場を湿潤させたりしながら、このあとの作業を進めています。
【2】屋根と2階床に穴を開けて、搬出経路確保
今回、現場の目の前が道路でしたので、安全面を考慮して、家の中から搬出していくこととしました。
ですので搬出のために、屋根と2階床の一部分に穴を開けています。
【3】手作業で屋根の解体
続いて、手作業で屋根の解体を行います。
大きい柱や梁は細かく切断しながら搬出していきました。
【4】隣宅の壁をビニールとブルーシート、防音シートで雨養生
屋根の解体が終わったら、露出した隣宅の壁に雨養生を行っていきます。
念を入れてビニール、ブルーシート、防音シートを被せて、万が一にも雨が入らないようにしっかりと養生しました。
この後解体が進むにつれて養生も並行して行えるよう、かなり大き目のブルーシートを用意しています。こうすることで、ブルーシートを広げていくことで養生できるようにしました。
【5】2階(木造)部分を手作業で解体
養生作業が終わったら、2階(木造)部分を手作業で解体していきました。
2階部分は木造ですので、工具を使って柱や梁を切断しつつ解体を進めていきます。作業の際、隣宅の壁が損傷しないように壁付近は特に慎重に解体していきました。
【6】1階(鉄骨造)部分を手作業で解体
続いて、鉄骨造の1階部分を解体していきます。
鉄骨の梁があると重機が入れないため、手作業で進められるところまで進めていきます。
鉄骨を切断する際にはガス切断機を使うのですが、火花が散るなど、火気が発生してしまうため、付近に燃え移らないように散水して空気を湿潤させて作業を進めます。
また、作業が終わる前には必ず1時間ほど時間をとって火が出ないかの確認を行います。小さい火が燻っている可能性もあるので、この確認作業は怠りません。
【7】1階の壁と土間を重機で解体
手作業で鉄骨の解体と搬出をしたら、ここからは重機を搬入して解体を進めていきます。壁はすべて「フォーク」というアタッチメントを使って解体しました。
フォークは、建材を挟んで千切るようにして解体するアタッチメントで、建屋の解体に使われることが多いです。
建屋部分の解体が完了したら、土間と基礎の解体を始めます。
バケットというアタッチメントで、コンクリートをめくって剥がすようにして解体していきます。
写真の左側、ブルーシートが地面まで下りているのですが、これは2階部分の雨養生を伸ばしたものになります。
あらかじめ、このようにするところまでを想定して、必要なものの準備を行っています。
【8】整地行い、壁補修工事のための足場を組んで今回の作業が完了
最後に整地を行っていきます。
重機を使って、踏み均すようにして地面を固めました。
この解体工事の後、隣宅の壁補修工事が控えていたため、撤収前に作業用の足場を組んで今回の作業は完了となります。
まとめ:連棟式の建物は解体の難易度が高く、作業にもかなりの注意が必要
今回は、連棟式の建物の解体事例を紹介しました。
連棟式の建物は、建物自体が繋がっているようには見えるものの、中で分離しており別々の世帯が住んでいる可能性が高いです。
解体時の騒音や粉塵で、ご迷惑をおかけする可能性が通常の解体工事に比べて高く、加えて壁を損傷させてしまう可能性も考えられます。
通常の建屋解体に比べて注意が必要になる場面が多く、難易度の高い解体工事になります。
阿川建設では、これからも万が一事故が起こってしまうことが無いよう、細心の注意を払いながら工事を進めてまいります。
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