工種:解体工事
建物の種類:塔屋、5階建てビル
施行面積:延べ474㎡
大阪市福島区にある5階建てビルと、屋上部分にある塔屋を解体しました。
本記事では、3階部分から工事完了までの解体内容を紹介いたします。
ビル解体作業の注意点:重機や解体資材の重さで床が抜けないように気を付けた
今回のビル解体での注意点は、前回に引き続き解体資材の取り扱いです。
作業が進むにつれて解体資材が増えると下層の柱や梁に負担がかかり、場合によっては床が抜けてしまう恐れがあります。
今回はその対策として下層にサポートを組み、支えるような形をとりました。
重機が下の階層へ降りる際にも細心の注意を払った
今回の作業では、解体資材と同様に重機の取り扱いにも気を付けました。
1階層の解体が進んでくると、床に穴をあけて解体資材で坂道を作って重機を降ろす作業が発生します。
その際坂の角度が急すぎたり、降りた先に旋回できるスペースが無いと事故につながる可能性があるため、細心の注意を払いながら作業を進めました。
ビル解体(後半)の作業内容
ここからは、今回のビル解体の作業内容を紹介いたします。
【1】 4階の腰壁を解体しつつ、足場を崩していく
まず初めに、前回残していた4階の腰壁を解体しつつ、高い場所の足場を崩していきます。
腰壁とは、字の通り「腰の高さほどの壁」のことで、一般的に窓がついている高さ(大体80㎝くらい)のものを指します。
今回は、解体が進むと足場の方が高くなり、足場が不安定になってしまいます。
そのため、ビルの解体並行で足場を崩していきました。
【2】4階床を解体し、重機が3階に降りるための経路を作る
4階の腰壁解体が完了したら、重機を降ろすための経路を作る前工程として、床を解体していきます。
床がある程度解体出来たら、重機が下りるための坂を解体資材で作っていきます。
坂の角度を適宜確認しながら、安全に降りられる角度を見極めなければいけないので、慎重に作業を進めました。
【3】解体資材で作った坂を使って3階に重機を降ろす
坂が出来たら3階に重機を降ろしていきます。
坂の角度も問題なかったため、スムーズに降ろすことが出来ました。
【4】3階床に穴をあけて、作った坂を崩す
続いて、重機を降ろすために作った坂を崩すために、坂の下にある床に穴をあけて、下の階層に解体資材を落としていきます。
坂を崩し終わった後の写真です。
平坦になり、3階の解体を進められるようになりました。
【5】3階天井(4階床)と柱、壁の一部を解体
ここからは3階の天井(4階床)を全て撤去していきます。
こうして重機の作業スペースを広げながら、柱のみを残していきました。
天井の解体途中に鉄骨部分がありましたので、鉄骨カッターというアタッチメントで解体しています。
天井を撤去したら柱を解体して、3階部分の解体は一旦完了です。
この後は、3階に溜めた解体資材を2階に降ろしていく作業になります。
【6】解体資材を2階に降ろし、手作業で運べるものは搬出
続いて、3階に溜めた解体資材を降ろしていきます。
床には小さな穴をあけて、重量のある鉄骨や鉄筋を優先して降ろしていきました。
鉄骨や鉄筋を一通り降ろした写真です。
手作業で運べる重量の物は、2階から直接搬出車両に積み込んで搬出していきました。
【7】3階の鉄骨造部分を手作業で解体
解体資材を一通り降ろしたら、解体資材を溜めていた3階の鉄骨造部分を手作業で解体していきます。
解体にはガス切断機を使って、少しずつ切り離していくような形で、鉄骨を解体していきました。
ガス切断機は鉄骨の切断時に火花が散るため、周辺に燃え移るものがないかをしっかり確認しながら慎重に作業を進めます。
3階鉄骨造部分の解体が完了しました。
2階部分の折板屋根が見えてきて、解体作業が終盤に入ってきたことが分かります。
【8】3階床に穴をあけ、2階に重機を降ろす
先ほど、4階から3階に重機を降ろしたやり方で、2階に重機を降ろしていきます。
重機を降ろしたら、坂の下にある床に穴をあけて、坂を崩しました。
【9】2階の鉄骨造部分を手作業で解体しながら、重機でのRC造部分の解体を進める
解体資材をほとんど搬出していたので、2階部分は鉄骨造部分から解体を始めます。
3階と同様に、ガス切断機を使って、手作業で解体していきます。
手作業での解体と並行して重機でRC造部分の解体を進めていきます。
柱も並行して解体しつつ、足場の解体も進めていきました。
【10】1階に大型重機を搬入するための経路を作る
作業効率を上げるために、1階部分に重機を搬入することにしました。
しかし、鉄骨などがあるため、ガス切断機で鉄骨を除去する必要があります。
2階の床の一部に穴をあけ、露出した鉄骨をガス切断機で切除して、重機を搬入しました。
ここからは作業スペースを広げながら、1階と2階の解体を並行して進めます。
【11】2階と1階の解体を並行しながら進めていく
鉄骨カッターを付けた大型の重機で、一階の鉄骨を解体しながら、作業スペースを広げていきます。
一方2階では、RC造部分の解体を進めていきます。
こちらは、解体経過の写真です。2階部分の解体がほぼ完了したので、ここから、2階の重機を降ろすための坂を作ります。
【12】重機2台で膨大な量の解体資材を搬出する
2階部分の解体が完了したら1階壁面を崩し、解体資材で坂を作ります。
1階の重機を2階へ上げ、解体資材の仕分け・搬出を進めていきます。
約5階層分の解体資材は4トントラック80台分程になりました。
かなり根気のいる作業でしたが、重機2台を稼働させながらスピーディーに搬出できました。
【13】1階の残り部分の解体
解体資材の搬出が終わったら、1階の残り部分の解体を一気に進めます。
こちらは、1階の解体経過です。
外壁と解体足場の解体を並行して進めていきました。
1階の解体が完了し、ビルの建屋部分の解体が全て終わりました。
この後、土間と基礎の解体作業に入ります。
【14】RC造部分の土間と基礎を解体
ここからは、RC造部分の土間と基礎の解体を進めます。
ビル解体で使用していた小型の重機を、大型の重機と入れ替え、より効率的に作業を進めていきます。
ビルの基礎は、一般的な住宅に比べて大きい基礎を組んでおり、多くの鉄筋が入っています。
処分のことまでを視野に入れて、コンクリートと鉄筋を仕分けるために細かく砕く工程が必要です。
写真のように、まず大きな塊として切り出し、油圧ブレーカーというアタッチメントを使って細かく砕いていきます。
鉄筋とコンクリートが完全に分別出来たら、まとめて搬出します。
搬出には、鉄骨造の土間を使います。
土の上に車両を停めると、重さでタイヤが取られてしまい、動けなくなってしまうからです。
どうしても土の上に車を停めるしかない場合は鉄板を敷き、搬出車両のタイヤが土にはまらないように養生することもあります。
【15】鉄骨造の土間と基礎を解体
続いて、鉄骨造建屋のあった土間と基礎を解体していきます。
RC造の方と同じく、基礎は細かく砕きながら搬出していきました。
隣の建屋の壁にコンクリートの破片が当たらないように、木の板で養生して作業を進めました。
【16】整地をしてビル解体工事の全工程が完了
最後に、重機2台で搬出と整地を行います。
整地が完了したら進入防止の杭とロープを張り、道路を挟んだ先にある家屋から車が出入りできるように、砕石を敷きました。
これにて、今回のビル解体工事の全工程が完了となります。
まとめ:道路に面したビルは、解体順序が特殊になることがある
道路に面したビルの解体は今回のように屋上から重機を搬入するしかなく、通常の解体工事とは手順が異なることが多いです。
高所での作業が多くなるため、安全面を考慮するとどうしても工期が長くなることもあります。
次の工事が入る予定がある場合は、早めのご検討・ご相談をオススメします。
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