工事の種類:解体工事
工事の地域:大阪市東住吉区
建物の種類:鉄骨コンクリート構造・2階建てビル
施工面積:約250㎡

大阪府東住吉区にある、鉄骨コンクリート構造の2階建てビルの解体工事を行ってきました。

 

太い鉄骨や、分厚く重いコンクリートの解体作業が終始続くため、万が一にもそれらの落下や飛散が無いように、工事完了まで気を緩めることなく作業を進めています。

また、一般的な住宅の解体工事よりも、粉塵リスク・騒音リスクが高いことへの配慮も必要でした。

 

以下では、2階建ての頑丈な鉄骨構造ビルが、解体されるまでの工程をご紹介します。

ALC外壁を解体・撤去するところから解体工事がスタート

ALC外壁最初の撤去

鉄骨コンクリート構造のビル解体は、一部ALC外壁を取り除くことからスタートしました。

上の写真で、綺麗に四角く切り取られたように、外壁が開いていることから想像できるかもしれませんが、ALC外壁はひと続きの壁ではなく、いくつかのボードを繫げて造られた外壁です。

 

“徐々に解体を進めていく”という観点では、上の写真のように綺麗に撤去できることは助かるものの、ボード同士が継がれているからこその怖さもあります。

重機などの操作を誤り、ボードに接触して変な力を加えてしまうと、ALCが1枚丸々「ドスン!」と落下してしまう可能性が考えられました。

 

ALC外壁を解体中

ALCは厚く頑丈で、たった1枚でもそれなりに重さがあるものです。

もしも「ドスン!」とALCが地面に落下してしまうと、衝撃で割れたALCの破片が辺りに飛び散って作業員が怪我をしたり、可能性は低いですが破片が養生範囲を越えて、外の通行人に当たって、大怪我をさせてしまう可能性があります。

どちらも、絶対にあってはならないことです。仮に誰にも当たらなかったとしても、ALC落下の衝撃音や振動、粉塵などは近隣にお住まいの方々を不安にさせます。

 

中に進む重機

通常の住宅解体工事では使用しない、大型重機を稼働するため、転回やアーム操作は周囲の安全確認をしながら精密に行い、万が一にも、“ALC外壁が1枚まるごと落下してしまう事故”が起こらないよう、現場の作業員一同気を付けました

頑丈な鉄骨をアームに付けたカッターで切りながら、ビルをどんどん小さくしていく

鉄骨を切りながら解体を進めている様子

ここまでの写真でも目立っている朱色の部分は、特に頑丈な太い鉄骨などです。

太い鉄骨はビルの自立に影響しているため、その1本の鉄骨を取ることで、どこか不安定になってしまう場所がないか、残っている建物のバランスを見て厳しく判断します。

 

そして、危ないと判断した鉄骨の解体はひとまず避け、安全なところの鉄骨から順番に解体・撤去を進めていきます。

使用重機のアームの先には、太い鉄骨でもしっかり噛んで断ち切ることが可能な、強いカッターがついています。

これをメインパワーに、効率よく工事を進めていきました。

 

解体工事終盤

1つ前の写真より、だいぶんとビルの建物部分の解体が進んできました。

ビルの建物部分を小さくするまでの流れは、他の住宅やビルと大差はありません。自立に関わる外壁を最後まで残すとして、他の部分を解体します。

 

解体工事終盤

今回解体した鉄骨構造ビルの場合、外壁はALCで造られていたことを先述しましたが、一部の壁だけ通常のコンクリート外壁であり、他の部分と比べて脆弱であると判断されました。

倒壊リスクを徹底して避けるために、そのコンクリート外壁が最後に残るように計算して、建物部分の解体を終わらせています。

細かく堆積した廃棄物を片付け、地中基礎などの解体工程に移る

廃棄物の片づけ中

鉄骨構造のビル・建物部分の解体がおおむね完了した後は、コンクリート土間以下の解体・撤去工程に移りますが、その前に建物の解体にあたって出た、大量の廃棄物を搬出しました。

解体後の鉄骨など、大きな廃棄物の搬出は適宜済ませていますが、上の写真でも見られる非常に細かなコンクリートの破片などは、後でまとめて片付けるために残していました。

細かな廃棄物を踏み越える際に、重機機体がぐらつかないように注意しつつ、2台がかりで手早く片付けました。

 

養生はしたまま

ここから更に整理を進め、土間コンクリートの解体および、地中の基礎の解体に支障がない状態まで片付いたら次の工程に移ります。

粉塵の飛散を抑えるための散水を念入りに行いながら、基礎コンクリートと耐圧盤を解体

地中基礎解体中

ここからは、広範囲に及ぶ頑丈な鉄筋入り基礎コンクリートの破砕・撤去が続くので、粉塵が飛散し続けるリスクを警戒する必要がありました。

そのため、どんな工事現場においても行っている、粉塵飛散防止のための「散水」を、より念入りに行いました。

 

基礎および耐圧盤の解体撤去

頑丈な基礎コンクリートの下には、さらにコンクリート製の耐圧盤が施工されていました。

耐圧盤は、”基礎を支える基礎”のようなもの。頑丈なビルがまっすぐ綺麗に建つための、縁の下の力持ちです。

 

鉄筋入りの基礎コンクリートと同様、大変厚みがあり頑丈だったので、コンクリートを強い力で噛んで砕く役割を持つ重機と、そうして割られたコンクリートを更に破砕したり、その他の厚みが少ないコンクリートを砕く役割を持つ重機の、2台がかりで作業しました。

大型重機が2台同時に稼働するため、接触事故などが無いように終始注意しています。

約250㎡の整地を綺麗に行って、鉄骨コンクリート構造ビルの解体工事完了

敷き均し・踏み固め後

基礎コンクリートおよび耐圧盤の解体撤去が完了したら、深く掘り起こした土を埋め戻して、整地(敷均しや締固め等)を行いました。

 

工事完了後

以上を持って、約250㎡の敷地内に建つ、頑丈な鉄骨コンクリート構造2階建てビルの解体工事が無事に完了しました。

ドンと構えた立派なビルがあった所が、すっかり綺麗な更地になっています。

ALC外壁であるが故のリスク回避、隣地が近いことへの配慮など、気を付けるべきことがたくさんあり大変でしたが、特に滞りなく各工程は進み、安全に解体を終えることができたのでよかったです。

 

大阪市東住吉区で鉄骨コンクリート構造のビルを安全に解体するなら阿川建設にお任せください。