工事の種類:工場の中の風呂場の改修工事
工事の地域:大阪府東大阪市
施工面積:約60㎡
東大阪に建つ工場の、改修工事を行いました。
改修工事の対象は、上の写真にある約60㎡の風呂場です。この風呂場を解体して、新しいスペース(トイレと倉庫)のための基盤を造ります。
あくまで一部分の改修工事であるため、撤去する部分・撤去しない部分の区分けをしっかり行い、施工範囲外を傷つけないようにするなどの、様々な配慮が必要でした。
では早速、改修工事の流れを、写真を使って説明していきます。
撤去対象になる風呂場の壁の外側をシートで養生
今回の改修工事では、撤去する壁と撤去しない壁が両方あります。
工場内の間仕切りかつ、風呂場を正面から見た時に右側にある壁は、撤去の対象です。
この壁は後に、重機を入れて完全に撤去するため、崩した壁の破片などが施工範囲外へ飛び散ることを防ぐために、単管足場を組み上げてシートで養生しました。
撤去する壁に付属する窓枠やタイルのみ、先に手作業で解体
すべての現場において、工事で出た廃棄物は適切に分別および処分する必要があります。
今回の現場の場合、撤去対象のお風呂の壁の内側にはびっしりと、お風呂用のタイルが敷き詰められ、さらにいくつか小窓があったので、これらをコンクリートの壁本体とはきちんと分けなくてはいけませんでした。
タイルや窓を、コンクリートの壁本体とまとめて解体してしまうと、当然ながら適切な分別が不可能になってしまうので、解体・撤去対象の壁に付いているタイルや窓は、先にすべて外してしまいます。
風呂場内側のタイルをはがす段階ではまだ重機を使わず、小型のエアチッパーが使用されています。細かな手作業が必要なのは、タイルだけを綺麗に確実にはがすためです。
タイルや窓など、撤去する壁に付属しているものを先に外し終えたら、次の工程に進みます。
上の写真は、施工範囲内に重機を入れる際に妨げになるコンクリートの壁を、優先的に解体しはじめているところです。
ちなみにコンクリートの壁の厚みは、150~200mmでした。
100kg前後の大きなステンレス製の浴槽を重機で運び出し
ページ冒頭の写真でも分かるように、工場内のお風呂にある浴槽は、一般家庭にあるような浴槽とは大きく異なりました。
それは昔ながらの浴槽によくあるステンレス製であり、大きく四角い形状をしていて、おおよそ100kgあります。
もちろん人間の手で100kg前後の浴槽を、床のコンクリートから引きはがして運び出すことは不可能なので、搬入した重機のパワーをしっかり使います。
ステンレス製の大型浴槽は、とても頑丈なのでその場で砕くことはせず、丸ごと重機で取り外して、作業車に積み込みました。
慎重を期して重機を操作しているので、その確率は低いですが、万が一にも重たいステンレス浴槽が、作業車への積み込み時に落下し、誰かがケガをしたり残すべき部分が破損するなど、何らかの事故に繋がらないように、ワイヤー等で重機と浴槽を固定しながら、ゆっくりと積み込みを行いました。
上の写真は、先述したお風呂右側の壁を、おおむね解体・撤去し終わった現場の様子です。
この後は、同じ重機を使って床のコンクリートの撤去を行うため、コンクリートの破片や土埃などが飛散しないよう、引き続き養生シートはかけたままです。
他の床の高さと合わせるために、元の床のコンクリートを撤去して土もすき取る
改修工事にあたって不要になる間仕切り(コンクリートの壁)、および大きなステンレス製の浴槽の撤去の後は、床に敷かれたコンクリートの撤去を行いました。
床のコンクリートを一旦撤去する理由は、周りの床(改修工事の範囲外の床)との高さをきっちり合わせるためです。
風呂場の床は、周囲の床よりも約200mm高い状態でした。
ただ今回の改修工事により、風呂場からトイレ・倉庫へと用途が変わる影響で、200mmの段差が必要なくなります。
工場の床全体をフラットにするために、1度コンクリートの床を重機で起こして撤去し、あらわれてきた土の部分をさらにすき取って、“新しいコンクリートを施工した状態で他の床と高さが合う”ようにします。
トイレと倉庫の床になる、新しいコンクリートを流し込む
新しくコンクリートを流し入れる分を計算した高さまで、土を均一に掘り下げたら、床を補強する目的のワイヤーメッシュを施工します。
ワイヤーメッシュを施工した範囲に、コンクリートを流し入れた現場の様子です。
まだ新しいコンクリートが乾燥しきっていないので、前からあるほうのコンクリート床との違いが分かりやすいです。
全体的に、床の高さが綺麗に揃っていることがお分かりになりますでしょうか。
ちなみに、新しいコンクリートもしっかり乾燥すると、もっと白っぽい色味になるので、前からあるコンクリート床との差が少し目立たなくなります。
新しくトイレができるということは、新しい配管が必要になります。その配管を通る水を排出するための穴が、今回の改修工事にあたって新設されました。
工場内の改修工事が、無事故かつ適切に完了
上の写真に写っているのは、新しい工場のトイレになる予定のスペースです。
今回はここまでの工程をもって、ご依頼された改修工事はおおむね完了しました。(実際は、ブロック塀の積み上げも行われています。)
改修工事は、ただ単に新しいスペースにうまく造り変えることだけではなく、「改修する範囲」と「改修しない範囲」を適合させることを重視する必要があります。
そのために、緻密な計算・計画を行って、そこから差異がないよう慎重に各工程を進めていきます。
また今回の現場は、天井が低かったため、外せる屋根を一旦取り外して、重機も作業効率に影響のない範囲で小型にするなどの工夫を行いました。
安全面にもいつも通り配慮したので、事故などの問題がなく、無事に改修工事が完了しています。
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