今回紹介するのは、住宅4軒の宅地の擁壁(ようへき)を造成した事例です。
工事の種類:造成工事
工事の地域:大阪府枚方市
施工面積:約500㎡
地盤がゆるく水が湧いてくる宅場の擁壁造成工事
大阪府枚方市の宅地を整備するために、擁壁の造成工事を実施しました。
擁壁を造成するのは周囲の土地とかなりの高低差がある宅地です。
施工面積は約500㎡と広く、非常に大がかりな工事となりました。
さらに今回の宅場は地盤がゆるく、絶え間なく水が湧いていました。このような現場では、常にポンプで水を抜きながら工事を行わなければなりません。
工事の期間、排水機能を確保できるようになるまで、毎日工事の前に水を抜く作業を行いました。
加えてもともとあった排水のためのU字溝を残す必要があります。
そのためU字溝が倒れないように工事を実施しました。
造成工事の作業内容
それでは、今回の作業内容を紹介します。
【1】石垣の撤去
宅地には古い石垣がありました。
しかしこの石垣では、宅地造成に耐えうる強度がなく宅場の高さを揃えられません。
そこでこの古い石垣は撤去して、新しく擁壁を造成します。
また土を掘り起こしたときにU字溝が倒れないよう、ベニヤ板やL字型のアングルで土留め作業をしました。
【2】新たに造成する擁壁の横の地盤を固める
続いてU字溝の横の地盤を固める作業を行います。
現場はかなり地盤がゆるく、そのままだと造成工事に必要な地盤の基準を満たさない可能性がありました。下の写真で黒くなっている土が水を含んでいます。
そこで該当部分に白いセメントの地盤改良材を加えて混ぜ、地面を固めていきます。
下記の写真は重機で圧力をかけて、地盤の硬さを試験している様子です。
【3】砕石を敷く
地盤の強度を確認する作業を終えたら、さらに強固にしていくために砕石を敷いていきます。
今回は造成面積が広かったため、砕石だけでも4tトラックにして約7-8台分の量を搬入しました。
【4】捨てコンクリートの打設
およそ15cmの厚さで砕石を敷いた後、捨てコンクリートを打設します。
捨てコンクリートには、基礎をのせる面を水平にするなど、土地の状態や作業をしやすくする役割があります。
ポンプ車を使って流し込んでいきました。
また捨てコンを打設する前も後も常に水が湧いてくる状態でしたので、ホースで水を逃がしながら作業を進めました。
【5】木枠・鉄筋組み
捨てコンを流し込んだあと、U字溝の上に擁壁の外側にあたる木枠と鉄筋を組んでいきます。
段差がある部分は、段差に合わせて鉄筋を組みました。
【6】ベースコンクリートの打設
木枠と鉄筋組みが完了したら、ベースコンクリートを打設します。
捨てコンクリートと同じく、ポンプ車を使って大量のベースコンクリートを流し込んでいきました。
およそ25cm~35cm程度の厚みになるよう打設しました。
【7】擁壁のコンクリート打設
ベースコンクリートの打設ができたら、擁壁の内側にあたる木枠を組み、そこにコンクリートを流し込みます。
型枠がまっすぐな状態でコンクリートを打てるように、支えを設置して打設を行いました。
コンクリートを流し込んで固まったら、木枠を外して今回の擁壁を造成する作業は完了です。
ちなみにこの工事では、擁壁の造成だけではなく、他の作業も行っているため今回の記事で紹介した内容が全てではありません。
全ての工事が完成した写真は以下です。
まとめ
今回の擁壁造成では、常に湧き出てくる水を逃がしつつ、既存のU字溝を残して倒れないよう配慮しながら、作業を進めるのがポイントでした。
阿川建設は、大規模な宅地造成工事を行っています。
現場の状況に合わせて工事を進めてまいります。
宅地造成できる会社を探されている方は阿川建設までお問い合わせください。