工事の種類:解体工事
工事の地域:大阪市西成区
建物の種類:平屋鉄骨ガレージ(地中にコンクリート製のピットが出現)
施工面積:約60㎡
大阪市西成区の住宅街の中に建つ、平屋鉄骨ガレージの解体・撤去工事を行いました。
今回の工事はガレージの基礎解体の工程中、予期していなかった地中障害が出現したことが特徴です。
当初の計画には無かったことが起こる、そんな時には柔軟な対応力が求められます。
まずは平屋鉄骨ガレージの建物部分の解体撤去の流れから、順を追って説明していきましょう。
1枚が縦に長い屋根を半分に切りながら撤去
平屋鉄骨ガレージの波形屋根には、1枚が縦に長いという特徴がありました。
1枚の波形屋根の長さは約8mで、その分の重みがかなりあるため、そのままで下に下ろそうとすることは危険です。
そのため全ての波形屋根は、セーバーソーを使って半分の長さ(約4m)に切断してから安全に撤去、および運び出しを行いました。
波形屋根の切断で使用したセーバーソーは、ガレージの鉄骨の解体作業でも活躍します。
ガレージの鉄骨解体は、主にセーバーソーと手バラシで進めた
ガレージの波形屋根の解体後は、鉄骨部分の解体工事に進みます。
先述したように、今回解体する平屋鉄骨ガレージは、西成区の住宅街の中に建っています。
現場の近くには木造住宅も多く見られたので、使用時に火花が散ってしまうガス切りの使用は、極力避ける必要がありました。
もちろん火花を避けるのは、火花が飛び散ることが原因で起こる火事を防ぐためです。
ガス切りは最後の方まで使用しないので、ガレージの鉄骨の解体は主にセーバーソーと手バラシで進めていきました。
セーバーソーは電動のこぎりの一種で、切断面が粗いため精密作業には向かない機械ですが、使用時に火花がほとんど散らないため、今回のように周辺に木造住宅が多い現場では、おおいに活躍します。
手バラシできるのは、ボルトを手作業で緩めることができる、細めの鉄骨です。
ボルトが錆びついて動かないところは、セーバーソーで切断しました。
また、H字鋼と呼ばれるがっしりした鉄骨は重たいため、セーバーソーで切断・解体します。
現場に入っている3トンクラスの重機は、重たい鉄骨が地面に落下しないように吊り上げて支えるためのものです。
ガレージが面している道路は、比較的交通量が多かったため、鉄骨解体・撤去・運び出し時の安全には、最善の注意を払いました。
写真は、平屋鉄骨ガレージの建物部分の解体がほとんど完了している段階の様子です。
しっかりした太さの鉄骨が、いくつもあることが分かります。
最後に残した鉄骨の柱の根元だけは、手バラシやセーバーソーではどうにも切り離せないため、火花に気を付けながらガス切りで切断しました。
鉄骨ガレージのアスファルトは、重機で効率よくめくっていく
平屋鉄骨ガレージには、アスファルトが敷かれていました。
今回の工事ではこのアスファルト、および地中に埋まっているコンクリート基礎も解体領域です。
アスファルトは、バケットというアタッチメントをアームの先に取り付けた、先ほどと同じ3トンクラスの重機で効率よくめくり取っていきます。
アスファルトをめくり終わったら、地面を掘り返してコンクリート基礎の解体・撤去に進むのですが、この工程で先述した地中障害が発見されたのです。
大きな地中障害(地下ピット)の出現に対応
コンクリート基礎の解体・撤去のために地面を掘り返してみて、初めて分かったのが大きな地下ピットの存在です。
(※地下ピットとは、電気配線や給排水設備の配管などのメンテナンス用に造られた空間のことです。)
詳しいことは分かりませんが、平屋鉄骨ガレージを建てる前の建物に付随していたものが、何らかの理由でそのままになっていたのだと考えられます。
平屋鉄骨ガレージの解体工事完了後は、すぐに家が建つ予定で、当然ながら家の地中基礎を新たに造る必要があるので、この地中ピットをそのままにはしておけません。
地中障害の有無は建物を見るだけでは分からないため、今回のように予期せず出てきてしまうことも珍しくありません。
当初の工程には無い作業が入ってくる可能性を常に考慮し、もしも本当にイレギュラーな事態が起きたとしても、慌てず対応するように努めます。
大量のレンガなどを撤去すると、地下ピットの全容が見えてきました。
写真でも分かるように、長い時間をかけて自然に溜まってしまった水があったので、水中ポンプを使用し、先に排出しました。
地下ピット内に溜まっていた水をおおむね排出し終えたら、重機を使用した解体作業に移りました。
コンクリートで造られた地下ピットの解体作業は、ブレーカというアタッチメントをアームの先に取り付けた重機で、適度な大きさごとに破砕しながら進めていきます。
ブレーカで砕いた地下ピットの破片は、アスファルトをめくり取った時と同じバケットで運び出しました。
地下ピット以外には、想定通り平屋鉄骨ガレージ本来のコンクリート基礎が埋まっていたので、それもブレーカおよびバケット付きの重機を使用して撤去しています。
大きな地中障害の穴をキレイに埋め戻して整地を行い、鉄骨ガレージの解体工事は完了
地下ピットおよびコンクリート基礎の解体・撤去が済んだところで、後にできた大きな穴をキレイに埋め戻して整地を行い、今回の平屋鉄骨ガレージ解体工事は問題なく完了です。
予期せぬ地下障害の出現はあったものの、解体工事全体において大きな影響を与えることは無かったので、良かったです。
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