工事の種類:解体工事
工事の地域:大阪府四條畷市
建物の種類:木造2階建ての古民家(築70年ほど)
施工面積:約500㎡(うち古民家の建物部分が約250㎡)
大阪府四條畷市にて、およそ築70年と歴史の深い日本家屋を解体してきました。
古民家ならではの柱・土壁の特徴に気を付けながら、解体工事を進めています。
作業車をすべて古民家の敷地内に入れ、解体を開始
古民家の敷地は約500㎡あり、そのうち庭が約250㎡を占めていました。
そのため、植栽や大きな庭石がある部分をのぞいても、作業車を停めるスペースは十分確保できています。
丸太足場や防音シートも、特に問題なく組み上がり、まずは古民家の屋根瓦をすべて撤去しました。
太い木の柱を抜く順番に気をつけながら解体を進めていく
古民家の屋根瓦の撤去後は、建物部分の解体へ進みます。
開口部が広いため重機を転回させやすく、解体作業自体は進めやすかったのですが、古民家の解体だからこそ気を付けるポイントが2点ありました。
そのうちの1点が、古民家独特の太く長い柱です。
今回解体するような昔ながらのお家は、太く手長い木の柱をわたして、その上に2階や屋根裏を作っている構造のものが多く、いわばその太い柱ありきで家が支えられているような状態です。
つまり古民家では、家の柱の役割が、現在建てられている一般的な住宅よりも大きいのです。
そのため、ある太い柱に何か比重がかかっている状態で、その太い柱を抜いてしまうと、上に載っかっている部分が一気に倒壊してしまう可能性があるのです。
解体工事において、”上を解体して、下を解体する”順序は基本ですが、柱の役割が特に大きい古民家では、倒壊を避けるため、解体を進める順番により気を付けなくてはいけません。
土壁は解体時にホコリが飛びやすいので散水を多めに行う
さらに、古民家の解体工事だからこそ気を付けたポイントがもう1点あります。
昔ながらのお家の壁では、強くこするとボロボロ崩れるような土壁が良く使われています。
上の解体途中の古民家の写真でも、土壁が多く使われていることが確認できるかと思います。
こうした土壁はカラカラに乾いているため、解体時に土埃が立ちやすいです。
大量の土埃が風に乗って飛んで行ってしまうと、もちろん近隣住民さんのご迷惑になりますので、しっかりと散水を行い土に重みを持たせて、ホコリの飛散リスクを抑えました。
平屋を最後に解体して、建物部分の解体工事は完了
日が暮れていて分かりづらいかも知れませんが、古民家の2階建て構造部分(正確には、2階ではなく広い屋根裏といったイメージ)の、解体工事が完了しました。
大部分の解体工事が完了したことに伴い、足場・防音シートを適宜縮小しています。
重機の横に木の柱をまとめて置いてあるのですが、やはり通常の木造住宅の柱と比べると、太くしっかりしています。
あと少しだけ残っているのは、台所などがおさまっていた平屋部分です。
2階建て部分に引き続き、古民家の平屋部分も解体しました。
古民家平屋部分を解体すれば、ひとまず広い古民家の建物部分の解体は完了です。
不要な防音シートを取り外し、地中の基礎を掘り起こしていきます。地中の基礎は、昔ながらの”延べ石基礎”でした。
古民家の周りに植えられていた大量の植栽も、すべて撤去しています。
小さな井戸をお清めしてから塞ぐ
古民家の敷地内には、小さな井戸がありました。
昔から井戸は、神様が宿る神聖なものだと考えられているので、そのまま埋め立てて終わり、というようなことはしません。
お酒や塩をまき、きちんとお清めを行ってから、解体作業に入りました。
周りの土を掘り、井戸を撤去しました。
ここから埋め戻しを行いますが、真ん中に空気抜きのパイプを入れ、完全に埋め立ててしまうことはしません。
「井戸の中の神様が、井戸から上がってこられるように」と、昔から古井戸を潰す際の習わしになっていると言われています。
運搬が大変だった巨大な庭石
整地の段階で入るうえで大変だったのは、大きな庭石の運搬です。
上の写真のように大きな庭石がいくつもあり、これらを安全に運び出すことが必要でした。
大型ユンボを入れていたので、それで持ち上がるのか試してみましたが、持ち上がりませんでした。
そこで、重い物でも吊り上げられるレッカー車を現場に導入しました。
上の写真が、重たい庭石をレッカー車で吊り上げ、トラックの荷台に載せている時の様子です。
レッカー車の転倒を防ぐため、地面には鉄板を敷き、しっかり車体と固定しています。
レッカー車の活躍で、敷地内にあったたくさんの巨大庭石を、すべて安全に運び出すことができました。
悪天候のため2日かけて整地を行い古民家の解体工事は完了
解体工事の仕上げは、敷地全体の整地です。
ただ、整地日は生憎の雨が1日中続きました。
雨の日は地面がぬかるみ、どうしてもキレイに整地はしきれないため、大まかな整地のあと、晴れた日に整地を仕上げることにしました。
晴れた日に、きちんと締固めを行いキレイに地面を均して、今回の古民家解体工事は完了です。
築70年の古民家ならではの解体時の注意点がいくつかありましたし、ユンボでは運べない大きな庭石が敷地内にゴロゴロあるなど大変な部分もありましたが、安全に工事を終わらせることができました。
特にレッカー車稼働時の安全確認は、念入りに行っております。
四條畷市で古民家の解体工事を行うなら阿川建設にお任せください。