工事の種類:解体工事
工事の地域:大阪市浪速区
建物の種類:木造2階建て集合住宅
施工面積:約130㎡

大阪市浪速区に建つ、木造2階建て集合住宅(約130㎡)の解体工事を行いました。

昭和33年築の古い建物でしたが、そこまで大きな劣化は見られません。

ただ集合住宅の1階部分は、壁を抜いて広く店舗として使われていた形跡があり、柱の本数が2階より少なかったため、1階部分の解体は特に慎重に進める必要があると判断しました。

 

解体前の木造集合住宅

上の写真で分かるように、解体する木造2階建て文化住宅は、交差点の角地に建っています。

当然のことながら人や車、自転車の通行量が多いため、工事期間中の安全確認は常に抜かりなく行いました。

 

撤去前の階段

また今回は、解体する木造集合住宅の隣の建物(持ち主様が同じでした)に付随する、老朽化が激しい鉄骨階段の解体・撤去も、同時にご依頼いただきました。

 

これらの解体工事期間中、最も大変だったのは近畿地方で猛威をふるった台風21号の対策です。

後ほど詳しく取り上げますが、強烈な台風による直接被害・二次被害を防ぐために、しっかりと準備を行いました。

では、一連の木造2階建て集合住宅の解体の流れを、見ていきましょう。

足場をあけた角の部分から、集合住宅の解体を開始

解体開始

木造2階建て集合住宅の解体工事は、足場をあけた角の部分から進めていきました。(この段階で、すでに屋根瓦の撤去は完了しています。)

ちなみに、解体工事に使用している重機は4トンクラスです。

先述したように、特に1階部分は柱の本数が少ないですから、倒壊の危険がないよう慎重に工事を進めています。

 

木造2階建て文化住宅

木造2階建て集合住宅の解体が、だいたい半分くらいまで進んだ時の様子です。

写真の右側を見るとお分かり頂けるかと思いますが、手前にあっても、あえて先に解体を進めていない部分があります。

このように足場の近くの建物を最後の方まで解体しないケースでは、足場の控えをとっていたり、重機の転回上の都合が悪かったりといった理由があります。

要は、解体作業を効率よく、なおかつ安全に進めていくために、建物の条件によって最適な解体順序を考えているということです。

 

解体工事中の木造2階建て集合住宅

木造2階建て集合住宅の解体が進み、作業車等を敷地内にすべて入れることが出来るようになったら、さらに足場・防音シートの面積を広げます。

重機搬入のために大きく開けていた角の入り口は、ほぼ閉じたような状態です。

このようにするのは、見栄えをカバーすることや、交差点の角地であるため、より粉じん対策を万全にすることが目的でした。

 

ここまで木造2階建て集合住宅の解体工事は、いつも通り順調に進んでいますが、ここからがいつも通りとはいきません。

先述した強烈な台風21号の襲来です。被害・二次被害を生まないように、万全に準備をしていく必要がありました。

とある日の午後に直撃する台風に備えた対策

台風が解体工事現場の地域(大阪市浪速区)に直撃するのは、とある日の午後でした。

そのため、午前中のできるだけ早いうちに、台風に備えた準備をすべて完了させる必要がありました。

台風の備えは、前日までに行うことが理想的ではありますが、台風により飛ばされる可能性がある部分の解体が何ヶ所か残っていたため、安全のためにギリギリまで解体作業を行うことにしました。

 

まずは、丸太足場・防音シートの調整を行いました。

防音シートは強風にあおられると危険なため、高い位置に張っているシートは一旦取り外し、低い位置から現場内に入ってくる飛散物を防げるくらいのシートだけ、残しました。(足場の1段分くらいです。)

また、丸太足場の補強も行っています。控えの本数をしっかりと増やし、強風に負けないように工夫しました。

その他、台風により飛んで行ってしまう可能性がある作業道具の回収は完全に行い、午後からの台風襲来に備えました。

 

台風襲来中

台風に備えた準備が完了してしばらくすると、いよいよ台風がやってきました。

予報で”猛烈な勢い”であることは伝えられていましたが、実際に体感してみるとそれは凄まじいものでした。

近くの街路樹は、今にもへし折れんばかりに強風でしなっており、現場付近で大きな被害が出ないことを、祈るばかりでした。

台風一過後は、解体工事現場に飛んできた飛散物の片付け

台風一過後

台風一過後は、まず台風で飛んできた飛散物の片付けを行いました。

幸いにも大きくて危ない物は飛んできておらず、折れた木の枝であったり、どこにあったかは分からないカラーコーンが転がっている程度でした。

事前の片付けを徹底していたこともあり、こちらの解体工事現場内の物が、強風でどこかに飛んで行ったということはなかったようです。残っている建物部分も無事でした。

 

つまり、当社の担当範囲では台風による被害・二次被害を防ぐことができたということで、関係者一同ほっと胸をなでおろしました。

しかし、以降の解体工事ももちろん油断はできません。引き続き、安全には最大限配慮して、残りの解体作業を続けていきます。

木造2階建て集合住宅の基礎を解体・撤去し、老朽化した鉄骨階段も撤去

基礎解体中

木造2階建て集合住宅の建物部分の解体が無事に完了し、基礎コンクリートの解体・撤去に入ったところです。

昭和33年築の古い住宅ということもあり、現代の住宅で見られるような、鉄筋が張り巡らされた分厚い基礎コンクリートではありませんでした。

そのため、基礎コンクリートの解体・撤去作業は比較的スピーディに行えています。

 

鉄骨階段のコンクリート切断

また、ここからは隣の建物に付随する、老朽化した鉄骨階段の撤去工事も行っていきます。

鉄骨階段の足元は、地面(コンクリート)にぴったりくっ付いているため、完全撤去には下のコンクリートから剥がす必要がありました。

上の写真中央を真っすぐに、ラインが入っているのが分かりますでしょうか?これが、コンクリートカッターによる切断部分です。

カッターラインより左側のコンクリートを撤去、右側のコンクリートは残すという計画でした。

 

コンクリートはつり中

上の写真は、先述したカッターラインの左側のコンクリートを剥がした時の様子です。

 

鉄骨階段

踊り場より上部の鉄骨階段は、建物の外壁に密着している状態です。

そのため、いかに外壁を傷つけずに、キレイに鉄骨階段を取り外すのかが、最重要事項となります。

 

撤去作業中

ワイヤーで吊り上げながら、鉄骨階段を大きめの塊で取ることを意識して、鉄骨階段を撤去していきます。

“外壁から取り外す時はなるべく大きい状態で、地面に置いてから細かくする”というような流れを取るのは、できるだけ外壁への接触リスクを避けるためです。

 

また、適宜必要だった鉄骨の手動切断には、火の粉が散らないセーバーソーを用いています。

火の粉が飛び散る切断工具を使用すると、外壁に火の粉が飛び、焦げ付きなどの原因になるためです。

鉄骨階段の撤去後、整地を完了させて木造2階建て集合住宅の解体工事終了

木造2階建て集合住宅解体工事完了

鉄骨階段は無事、外壁に傷をつけることなく、キレイに撤去することができました。

そして、並行して進めていた敷地内の整地作業を完了させて、今回の木造2階建て集合住宅の解体工事は完了です。

 

今回猛威をふるった台風のように、自然災害というものは避けようがありません。

どんな被害がでるのか、実際に災害がくるまでは予想がつかないことは、非常に恐ろしいです。

だからこそ、「このくらいで大丈夫だろう」と安心することはせず、その時可能な最大限の備えを行います。

 

今回のような非常に強い台風でも、被害・二次被害が出なかったのは、そうした心がけを常に行っているからとも言えます。

もちろん、自然災害が来ても来なくても、安全第一の作業は当たり前のことです。

常に安全な工事を行っていけるよう、これからも精進していきます!

 

大阪市浪速区で安全に木造2階建て集合住宅を解体するなら阿川建設にお任せください。