施工面積:約40㎡
大阪府柏原市にある老人ホームの施設内(保育園に隣接)にて、地中に埋まっている浄化槽の入れ換え工事を行いました。
- 旧スラブコンクリートの解体と撤去
- 地中に埋まっているタンクの解体と撤去
- 深掘削
- H鋼横矢板による土留め作業
- ベースコンクリートの製作
- 埋め戻し作業
- 上部スラブコンクリート製作
- 配管経路の確保
など、大がかりな工事を一括して請け負いましたので、工程の流れを写真で紹介していきます。
施工範囲のスラブコンクリートを解体・撤去
まずは、地中のタンクを撤去するために、表面のスラブコンクリートをめくって撤去していきました。
写真真ん中の機械は、コンクリートを切ることができるカッターです。
これから重機をメインに使ってコンクリートをめくっていく際、施工範囲では無いコンクリートまで一緒にめくってしまわないように、あらかじめしっかりと境界を作っておくのです。
写真をよく見ると、スラブコンクリートに、縦向きの切れ目が入っているのがお分かりいただけるかと思います。
0.1バックホウを入れて、スラブコンクリートを撤去していきます。
スラブコンクリートの厚みは、厚い部位で約20cm、それ以外の部位で約10cmほどでした。
重機のアームの先についているアタッチメントは、油圧ブレーカです。
油圧ブレーカでコンクリートを打って砕きながら、解体を進めて行きました。
写真は、地中に埋まっているガス管のチェックをしている時の様子です。
老人ホームおよび隣接する保育園は、工事期間中も使われているため、使用中のガス管と、必要でない古いガス管を判別する必要があります。
生きているガス管のチェックの完了後、いよいよ旧タンクの撤去作業に入ります。
地面を深く掘り、巨大なオイルタンクを撤去
重機と手作業を併用し、オイルタンク周りの土を掘削していきました。
タンクのすぐ近くの土をシャベルでよけて、その外側を重機でどんどん掘り進めて行くイメージです。
写真は、掘削が大分進んでいる状態の様子です。
タンクの大穴ははじめからあいていた訳ではなく、ガスを使って適宜切断していったものです。
オイルタンクは長さ7m・直径1.5mある巨大なものでしたので、クレーンで引っ張り出せる質量まで小さくする必要がありました。
オイルタンクは使われなくなった際に、引火の危険がないよう砂つめ等の処理がきちんとされていましたが、万が一の場合もあるので、ガス切断の際には引火の危険がないよう十分に気を付けました。
だいたい半分くらいの大きさになった鉄製のオイルタンクを、掘削した穴の中から重機で引き上げている最中です。ゆっくりと慎重に、引き上げていきました。
写真だと分かりづらいですが、オイルタンクを撤去した後は、その土台となるベースコンクリートが残ります。
今回は、古いベースコンクリートをすべて解体・撤去し、新しいベースコンクリートを造り直すので、土留めを行いながら更に掘削していきます。
H鋼の柱と横矢板で土留めを行いながらの掘削作業
ここからは、新しいベースコンクリートを作るための工程に進みます。写真は打ち込みの完了したH鋼を写したもので、ここからさらに横矢板を入れて、掘削作業に入ります。
悪天候のせいで地面の状態が悪いため、横からの土砂くずれをしっかり押さえていく必要がありました。
H鋼の柱と合わせて使う横矢板です。この横矢板を、縦向きのH鋼の柱に対し、横向きに組んでいきます。
横矢板をH鋼の柱に取り付けて土砂崩れを押さえながら、掘削を進めている時の様子です。
掘削により露出してきたベースコンクリートは、重機をメインに使って解体・撤去しました。
深さ約3mまでの掘削が終わり、ベースコンクリートの撤去もおおむね完了した現場の様子です。
ここから、ベースコンクリートの製作に取りかかりました。
ドロドロの土の状態を改善し、新しいベースコンクリートを製作
深く掘削した地面の表面からは、地下水が湧き出し、常にぬかるんでいる状態でした。
そのため24時間排水ポンプを稼働させ、湧水の排出を行っています。
またさらに、土の状態を改善するために、セメント系固化材を4トン混ぜ込みました。写真が、その時の様子です。
土がドロドロの状態が改善され、ベースコンクリートを造る準備が整いました。
写真では分かりづらいかもしれませんが、ベースコンクリートの施工面を均一にするための、捨てコンクリートを造った後の様子です。
その後、ベースコンクリートが完成しました。
6箇所の上方向に伸びる鉄筋は、新しいタンク(浄化槽)を通って地表まで続きます。
浄化槽を設置し、すき間なく土を埋め戻す作業
先ほど造ったベースコンクリートの上に、浄化槽が設置されました。
浄化槽を設置してすぐの状態だと、浄化槽とベースコンクリートの間、および横の土壁との間に、大きくすき間があいていますが、このすき間を新しい土でしっかりと埋め戻していきます。
掘削した土は、先述したように水分を多く含んで状態がよくないため、埋め戻しには新しい土を用意しました。
“山土”と呼ばれる、キレイで状態の良い土です。この山土を、重機を使って穴の中に入れます。
山土を穴の中にしっかり埋め戻したら、”水しめ”という締固め作業を行いました。
水しめとは、埋め戻した土に水をまき、水の浸透で下方向へ目の細かい土を落とし、土の密度を高めて地盤の強化を図るための作業です。
浄化槽および、これから造るスラブコンクリートの重みにもしっかり耐えられる地盤を造るために必要でした。
浄化槽へ続く配管の通り道を整備する
新しく設置した浄化槽へ続く、配管の通り道を作っていく作業です。
約45cmの幅で、浄化槽へ続く配管の通り道を整備しました。
鉄筋を配置し、スラブコンクリートを製作
新しいスラブコンクリートの製作にあたり、土の表面を転圧して整えて行きました。
コンクリートを流す前に、鉄筋を配置しました。
浄化槽の直上には鉄筋を、浄化槽の直上の範囲外の部分にはワイヤーメッシュを使用しています。
レーキで均しながら、コンクリートを流し込んでいる時の様子です。
厚みは旧スラブコンクリートと同様、タンク直上の厚いところで約20cm、それ以外の範囲で約10cmです。
以上、柏原市で行った浄化槽の入れ換え工事の事例でした。
深く地面を掘削していく際の土崩れや、ガス切断の際の引火事故が起こらないよう最大限に配慮しています。
大がかりかつ、タイトなスケジュールで行われた工事でしたが、何とかスムーズに、そして無事故で完了することできました。
柏原市での浄化槽の入れ換え工事なら阿川建設におまかせ下さい!