いつもご依頼いただく不動産会社様よりご相談いただいた事例です。
解体する建物は、約75平方メートルの住宅です。
隣地の家とは昔は長屋としてつながっていましたが、切り離され、その後隣地には鉄骨造の建物が建っています。
今回の解体工事をする際には、その鉄骨造のお隣と構造的には分離された状態でしたが、外壁や屋根がつながった状態です。
そのため解体工事では外壁や屋根を切り離し、接触している部分のみお隣の外壁を復旧する予定でした。
しかしお隣の家の3階部分のサイディングが解体前から破れ落ちていたので、追加工事として既存のサイディングを撤去して、隣地の外壁の全面復旧までを阿川建設で施工しました。
解体前に、お隣の家の方にサイディングが割れていることを確認していただいています。
家主様が不動産会社に相談され、追加工事として費用をいただき3階まで張り替えることになりました。
今回解体するのは、上の画像の茶色のタイル張りになっている建物です。
向かって右手にはお隣の家が建っていて、間には足場を立てるスペースがあります。
向かって左側の建物とは画像のようにギリギリまで接していて、足場を組むスペースはありません。
建物の内部です。
まずは2階の内装から解体しますが、その前に内部に残っているものを処分するために分別します。
外側部分は、解体する建物の右側に足場を組んで養生していきます。
屋根を解体する様子です。
画像は手前から奥を見た様子で、屋根が左手の建物の外壁と接した状態になっていることがわかります。
手前は金属屋根を折り曲げて強度を出した折半屋根となっており、こちらから手作業で解体していきます。
この部分の1階は、元々ガレージだったようです。
屋根の解体を進めるとその部分に穴ができるので、2階の床に穴を開け、そこに画像にある瓦を落としていきます。
周囲に屋根材などが飛び散らず、スムーズに解体できるためです。
屋根が左隣の建物と接していますが、ただ接しているだけで、長屋のように構造的に繋がっているわけではありません。
元はお隣ともつながった長屋だったようですが、お隣が建て替えた時に切り離したようです。
その時、解体する建物の屋根と接する形で建てておられます。
屋根の解体でできた穴です。
ここから瓦を落とし、屋根を解体しています。
野地板(屋根材を支える下地となる板材)の壁際だけ残し、後は切断して撤去していきます。
日をまたいで解体作業をしており、その間に雨が降ってもお隣が雨漏りしないようにするためです。
屋根材を撤去した様子です。
野地板だけ残しており、瓦はありません。
お隣の外壁と、反対側野地板を撤去しているところです。
上の画像の右にある通り、お隣の外壁側には土壁が残っていました。
壁がある状態だとお隣の外壁がどのような状態か見えず、壁をめくらなければわかりません。
解体を進めて壁をめくってみて、初めてお隣の外壁の状態がわかりました。
次に小屋組みを撤去します。
小屋組みもお隣の建物と接していたので、撤去してお隣の外壁の下地が露出して、コンクリートブロックと鉄骨の梁が露出した状態です。
このままでは鉄骨のすき間から雨水が入り込んで雨漏りになるので、すぐに養生しました。
2階部分を解体します。
右手の奥に見えているブルーシートが、お隣の外壁を養生している部分です。
お隣の建物と接していた外壁も撤去します。
2階の解体を奥まで進めていきます。
お隣の外壁の2階部分を養生して、1階部分の解体をはじめたところです。
外壁はタイル張りになっており、処分するために分別する必要があり、手作業で解体しなければなりません。
また重機で解体すると廃材がお隣に落ちてしまうこともあり、手解体で進めました。
1階の手前部分の手解体が完了したので、重機を入れて順番に解体を進めます。露出したお隣の外壁部分は、画像のように順次養生しています。
重機を入れて解体を進めた様子です。
奥まで解体していきます。
基礎以外、奥まで解体が完了しました。
隣の外壁はすべて養生しています。
基礎を解体している様子です。
昔は長屋だったため、お隣と接した部分の基礎はくっついていました。
重機で解体するとお隣の基礎も壊してしまう恐れがあるので、慎重に手で解体していきます。
お隣の基礎は解体するこちら側の建物の基礎を型に作成されていたようで、コンクリートがくっついており、越境してコンクリートも流れ出ていました。
そのため、必要な深さまで解体しています。
お隣と接していない部分の基礎は近隣への影響がないので、重機で解体しています。
すべての解体が終わったので、整地していきます。
以上で建物の解体は完了です。
今回は、お隣の外壁施工もあるので引き続きご紹介します。
こちらは、解体によって露出したお隣の外壁部分です。
サイディングを施工するため、足場を設置します。
3階部分のサイディングを撤去します。
解体前から傷んでおり、張替が必要だったため残されていたそうです。
サイディングの下地となる胴縁(どうぶち)を施工しているところです。
下地と防水シートを張って、サイディングの施工が完了しました。
写真のように、解体した建物は整地して、お隣の建物の外壁にはサイディングを施工しました。
まとめ
今回の建物は隣地と壁がくっついていたので、手解体を行ってから重機を入れました。
重機を入れた後も、梁は縁を切ってから解体しています。
昔長屋だった建物は、外から見ると別の建物になっていても、今回のように基礎部分がくっついているケースが多いものです。
隣接する家は傷つけてはいけませんので、今回のように慎重に解体作業を進めています。