工事の種類:解体工事
工事の地域:奈良市
建物の種類:木造平屋住宅
施工面積:143㎡
イレギュラーな基礎でも工程を組み直すように対応する。
この奈良市の木造平屋住宅の解体の際の出来事です。
この建物の基礎はよくあるベタ基礎や布基礎ではなく、一風変わった基礎でした。
当初はこの想定をしていなかったので、小さめの重機の利用を想定して、工程を組んでいました。
ただ、上物の解体が終わった段階で本来は地中に埋まっているはずの地中梁が外に出ているような構造になっており、「あれ、RC造かな?」と思うような特殊な構造になっており、小さめの重機では解体に時間がかかると判断し、少し大きめの重機を入れブレーカーにて破壊していくように工程を組み直し、解体作業が早く終わるように融通を利かせています。
小さな木造住宅の解体工事でも安心安全が基本
解体工事をやっていると様々な建物に出会いますが、安心安全はもちろん、近隣の配慮などを忘れずに解体をするのは同じです。
建物の周辺環境は近隣に住宅がありましたが、隣接しているわけではなく、程よく離れていたので、ゴミや砂埃などが飛んで迷惑のかからないように配慮を行い、解体工事を行わせていただきました。
あまり特殊なことをしているわけではありませんが、当たり前のことを当たり前に行って、安心安全に解体工事を行わせていただいている、解体工事の流れをご説明させていただきます。
木造平屋の解体行程
この建物の解体の流れは下記のとおりです。
- 周辺環境の確認
- 丸太足場組みとシート養生
- 屋根瓦の撤去
- 重機で上物の解体(分別しながら)
- 床部分の解体(コンクリートと鉄筋を分別しながら)
- 基礎の解体
- 更地
丸太足場組み〜瓦の撤去工程
これは足場組みをしているところの写真です。
この後で、シート養生を行いました。
解体時には瓦はリサイクルのため分別する必要があります。
そのため、まず最初に瓦の撤去を行いました。
上物の解体作業
安全上などの観点からスペースに余裕のあるところから、重機を入れて上物の解体を行っていきます。
下から壊すと、土や埃が飛散してしまうので、出る埃などが最大限に少なくなるように上の方から解体を行います。
屋根の解体時に水をかけているところの写真です。
水をかけることで、屋根に乗っている土が固まり、地面に落ちる時の土埃を最大限減らすことができます。
近隣の方が近くで洗濯物などをしていた時に土が舞うと、やっぱり嫌な気持ちになると思うので、こういった配慮は大切にしています。
様々なことを考えながら、ゆっくりと解体を進めていきます。
当たり前のことかもしれませんが、出てくる廃棄物は現場内で分別をしながら解体を進めております。
解体を行いながら、梁や柱は処分の仕方が違うので隅の方へまとめています。
ここで分けているものは、チップにする工場に持っていきリサイクルをします。ちなみに柱は100mm角のもの、梁は100×300mmを目安に分けております。
これで上物の解体はほぼ完了です。
木造の場合は、土・モルタル・ラス・紙などの廃棄物を小まめに仕分けしながら、解体を進めています。
ここまでが上物の解体です。
床の解体工程
ここから、想定していなかった部分で、重機を入れ替えて解体作業を行いました。
これは床コンクリートをブレーカーという重機でコンクリートを破砕しているところです。
このようにコンクリートだけ端から順に壊して、ブレーカーの届く範囲まで鉄筋だけの状態を作り、その後、鉄筋を切ります。
こうすることで、仕分けの手間も減るので、解体時間の削減ができます。
床のコンクリートを砕いた後は、穴の空いているスケルトンバケットを使ってコンクリートと土を分けながら、ダンプに積み込みを行います。
少しづつ確実に仕分けをして、瓦礫の撤去をしていき、次に基礎の解体を行います。
基礎の解体工程
基礎は土の中に埋まっているので、スケルトンバケットを利用して、土と仕分けしながら撤去を行います。
撤去した基礎コンクリートは土を撤去しそのままダンプへ載せます。
もちろん、廃棄する土と基礎コンクリートは仕分けを行い、それぞれ別で廃棄物処理を行います。
このような、基礎コンクリートの破砕、土との仕分けを繰り返して基礎コンクリートの解体をおこなっていきます。
庭木の撤去も解体工事の一つ
解体工事は建物を壊す工事というイメージが強いと思いますが、更地にするためには庭木の撤去も大切です。
今回は太い木がなかったので人力により、少しづつ切って撤去をしていきました。
更地にする工程
廃棄物が残っていると綺麗な更地になりません。できる限りコンクリートや木材を取り除きます。
道路よりも土が上に出ていると雨が降った時に雨が流れて道路が汚れるので、そうならないように少し下げています。
できる限り瓦礫を取り除き、仮に子供が遊んでも転んでも怪我をしないようなぐらいにフラットに、また綺麗になるように更地にしました。
ちなみに、この土地は、道路と同じぐらいのレベルの場所もあれば、道路よりも高いところもある土地で、道路より高くなっているところが入り口としていたので、法面をつけて車でも入りやすいように最後に整備を行いました。
これで更地の行程は完了し、解体工事は全て終了です。
更地を綺麗して次に使う人に喜んでもらうのが解体工事
阿川建設が大切にしていることですが、解体工事というのは潰して終わりというわけではありません。
潰すということはまた次の何かを建てるということです。
ですので、次に建てやすいように更地を作る必要があります。
実際、潰して終わり!だと次に建物を建てるのも大変になるので、何を建てるにしてもやりやすいように廃棄物の分別だけでなく、綺麗な更地を作るまで解体工事だと考えて工事を行わせていただいております。
奈良市で木造平屋の解体工事は阿川建設へ