不動産屋さんからのご依頼で、鉄骨造4階建て(地下有)のアスベスト除去を含む解体工事を行った事例です。
大阪市天王寺区の建物で、解体する延床面積は約180㎡、解体後には約138㎡のアスファルト工事も行いました。
最上階のデッキ下と各階の梁に吹付ロックウール耐火被覆材があり、分析したところ基準値を超えるアスベスト含有量でした。
そこでアスベスト除去を専門業者にお願いして、その部分だけ先に解体してもらった現場です。
除去後は内装の解体工事も行い、足場設置、屋上から小型の重機を使い階上の解体、2階から地上解体、地下解体と進めていきます。
その後、アスファルト工事も行いました。
隣地の空き地を使用させていただくことができたため、車両を駐車できたことと、途中から地上解体にできた点は良かったです。
しかし隣地との間が狭く、壁を撤去する際は丁寧な作業が必要でした。
行った工事について、順番に解説します。
1.アスベスト工事
最上階のデッキ下、各階の梁に吹付ロックウール耐火被覆材がありました。

基準値を超えるアスベスト含有量だったため、除去前に飛散しないよう養生しているところです。

アスベスト含有の部分はしっかり養生していきます。

写真の装置は、アスベストなど有害な粉塵が発生するエリアで使用される圧除塵装置です。
フィルターが内蔵されており、外にアスベストが出ないように換気・浄化する機能があります。
空気を外に出す・中に入れるためにそれぞれ2つのダクトを使用して空気を循環させており、養生部分からアスベストが漏れ出さないように負圧にしておきます。

負圧除塵装置は前述の通り空気を出す配管、空気を入れる配管の2本があり、外から見るとこのようになっています。

配管の入り口・出口はこのようになっています。
この構造のため、解体時にアスベストが周囲に飛散しません。

天井に吹き付けてある灰色の綿のようなものが、アスベストを含む耐火被覆です。

アスベストの撤去中、中はこのような状態になっています。

アスベストを撤去したところです。

アスベストはもちろんそのまま廃棄できません。
写真のような専用の袋に詰め、適正に処分します。

アスベストが外に漏れていないか測定する装置です。

アスベストの負圧測定表です。
細かく測定して、万が一漏れていないかしっかりチェックしていきます。

建物の外でアスベストを測定している機械です。

こちらは建物内部でアスベストを測定している装置です。
建物の中と外、両方で粉塵を測定しています。
今回の工事では自治体である大阪市も立ち入り検査をしており、適正に進めていきました。
2.解体工事
アスベストを除去した後は内装の解体工事を行い、足場設置、屋上から小型の重機を使っての階上解体、2階からの地上解体、地下解体を行いました。
建物の左側にある空き地を利用させていただき、そこにクレーン車を設置することができました。

解体前の建物の状態です。

アスベストを除去した後に、解体を開始します。
まずは内装材から始めていきます。

内装の解体をしているところです。

次に、足場を立てて養生で建物すべてを囲います。
建物の前には歩道があり、落下防止の養生も設置しました。
万一解体時に落下物があっても、この落下防止養生が受け止めます。

4階建ての建物の高さまでは地上から重機を届けることができないため、階上解体という手法を取ります。
階上解体は小型の重機をクレーン車で吊り上げて屋上に設置して、屋上から解体を始める方法です。

屋上の土間部分はすでに手解体しました。
写真に写っている構造物は、土間の解体後に現れたデッキプレートです。

建物が古いため、重機を載せた際重さで建物が崩れないようにサポート材のスラブ(床)を支えます。
この後クレーン車を使って屋上に重機を載せていきます。

重機を使い、屋上の塔屋から解体を始めていきます。

重機が載る最小限の床だけ残し、解体を進めます。
ここまで解体したら、できた穴を使ってクレーン車で再度重機を吊り上げ、下の階に降ろします。

重機のアタッチメントを変えたところです。
これで梁をカットしていきます。
建物の3階までは、この方法で解体を進めました。

3階まで解体できたら、空き地から大きな重機にて1階と2階を解体します。
大きな重機を使うことで、作業スピードがアップするためです。

隣地の空き地を使用させていただくことで、効率的に作業が進められました。

解体で出たガラは分別をして、順次搬出していきます。

地上の解体が終わったら地下の解体です。
地下部分は地上に置いた重機で解体するので、どうしても作業効率は落ちます。土砂が崩れないように、慎重に解体作業を進めました。

地下を解体しているところです。

地中梁も解体しました。
適宜埋戻しをしながら解体を進めることで、土砂が崩れないようにしています。

埋戻しを行ったところです。

基礎部分が隣地のブロック塀とくっついていました。
手作業で切り離して重機で解体する必要があり、想定外の工程で時間がかかってしまいました。

依頼主様が解体後は砕石敷きをご希望だったので、その通り実施します。

これで解体は完了です。
次に、アスファルト工事を行っていきます。
3.アスファルト工事
解体後は駐車場になる予定なので、アスファルト工事を行ってほしいというご要望がありました。

アスファルト工事の着工前です。

敷地周囲にあるコンクリートとの取り合い部分に残っていたアスファルトを、丁寧に撤去します。

はつり機にて、細かいアスファルトを撤去しているところです。

アスファルト工事では2面にブロックを立てて、フェンスを設置する計画です。
まずはブロックの基礎になる部分に鉄筋を施工していきます。

次にコンクリートを打設して基礎を作った後、コンクリートブロックを積んでいきます。
フェンスの柱になる部材も、ブロックの中に仕込んでおきます。

下部のコンクリートブロック部分が完了したら、立てておいた柱にフェンスを設置します。

駐車スペースはアスファルト敷きになりますが、地盤沈下が起こらないように、セメントの改良材で地盤を改良します。
セメント改良とはセメントと土を混ぜて地盤を固くすることです。
解体工事では地盤を掘り返すため軟弱になりがちで、セメントを改良することでアスファルトが沈下しないようにしています。

セメント改良をしているところです。
写真のように重機を使って行っています。

セメント改良が終わったら、表面を均していきます。
水勾配をとることで、仕上がった後に水たまりができないようにしています。

アスファルトの厚さが均一になるように、最後は写真のように手作業で繊細に作業していきます。

最後はローラーで転圧してアスファルトを固めます。

アスベストの撤去、建物の解体、アスファルトの施工がすべて完了しました。
まとめ
今回は隣の空き地に車両が駐車できたことと途中から地上解体にできたのは良かったですが、隣地との間が約15cmと狭く、壁を撤去する際は丁寧な作業が必要でした。
地下の作業はどうしても作業効率が落ちること、さらに基礎が隣地とくっついた部分があったことで少し時間がかかってしまいました。