工種:解体工事
工事の地域:大阪府四條畷市
建物の種類:RC造(事務所棟) スレート・ブロック造り(各倉庫)
今回、大阪府四條畷市にて、企業の敷地内にあるすべての建物を解体しました。
かなり大規模な工事になるため、本記事では事務所棟と隣接する各倉庫の解体事例を紹介いたします。
今回の作業における注意点:スレートの取り扱いには特に気を付けた
今回の作業における注意点は、倉庫の屋根にスレートが使われていたことです。
スレートには石綿(アスベスト)が含まれていることがあり、外見だけでそれを判断することができません。
石綿(アスベスト)は、人体に非常に有害な物質であることから、取り扱い方法が法律で定められています。
なので、解体・撤去時には細心の注意を払い、含まれていす可能性があるアスベストが舞うことが無いように作業を進めていきました。
その他、時折強風が吹いていたため、その対策も適時行っています。
事務所棟・各倉庫の解体作業の内容と各工程におけるポイント
ここからは、今回の解体工事の内容を順を追って紹介していくとともに、各工程におけるポイントを解説していきます。
【1】事務所棟と各倉庫に足場を組む
今回は、作業スペースも広く、障害物などもなかったため、スムーズに足場を組むことができました。
上の写真は事務所棟裏になるのですが、丈夫な木も植わっていたため、強風に備えてロープで木と足場を結び付け、風の影響で倒れることが無いよう補強しました。
【2】各倉庫を手作業で慎重に解体・搬出
次に、各倉庫のスレートを手作業で慎重に撤去していきます。
少しでも割れたり欠けたりしてしまうと、含まれているかもしれないアスベストが、風で周辺に舞うことになってしまいます。
そうなると、周辺に住む方々にも被害が出てしまうので、慎重かつ丁寧に撤去していきます。
スレートの撤去が終わったら、すべてブルーシートに包んでいきます。
こうすることで、運搬時の揺れなどでスレートが割れることを防ぎます。
また、写真奥に写っている「カーテンのように畳んでいる防音シート」なのですが、これは強風が吹いた時に、足場が風の影響を受けることが無いように対策したものです。
隙間から風が通り抜け、強風が吹いても足場が倒れないようになっています。
搬出車両にブルーシートで包んだスレートを積み込んでいきます。
しっかりとロープで固定し、車両の揺れで積み込んだスレートが落ちないようにしています。
この後、各倉庫を手作業で解体しています。
【3】事務所棟に追加の足場を組む
各倉庫の解体・搬出が終わったら、重機での解体に移る前に、事務所棟の周りに追加で足場を組み、防音シートを張ります。
また、出入り口付近には目隠しと防塵のために、ブルーシートとワイヤーを使って、簡易的なカーテンのようなものを作っています。
こうすることで、作業中は外側との境界を張り、搬入出など、出入りが必要な時だけ、このカーテンを開けることとしました。
解体する建物の立地条件や、現場の状況に合わせて作らずに解体作業を行うこともありますが、基本的にはこのように現場全体を取り囲み、周囲に粉塵などの影響が出ないようにしています。
【4】重機を搬入し、解体を開始
解体のための重機を大型・小型の計2台搬入していきます。
今回持ち込んだアタッチメントは、RC造の建屋を効率的に破砕していくための「コンクリートクラッシャー(写真右側)」と解体したコンクリート柄を細かく砕いていくための「パクラー(写真左側)」です。
工程によってこの2種類を使い分けて、作業を進めていくこととしました。
また、小型の重機には、スケルトンバケットというアタッチメントを取り付けており、土とコンクリートの仕分けを行いつつ、積み込みを行っていけるような態勢を組んでいます。
【5】事務所棟を解体していく
重機の搬入が終わったら、いよいよコンクリートクラッシャーを使って、事務所棟の解体を行っていきます。
解体が終わったら、パクラーによる破砕と仕分けの作業もあるので、一か所にコンクリートガラを積み上げながら、解体を進めていきました。
事務所棟の解体が完了しました。
鉄筋とコンクリートを仕分けながら、搬出を行っていきます。
この写真で、防音シートの上部が三角形になっているのですが、こちらも先ほどと同様、こうすることで風が抜けていくための通り道を作り、足場に影響がないような工夫を施しています。
【6】基礎の解体と搬出
ここからは、基礎の解体を行っていきます。
アタッチメントを適時付け替えながら、鉄筋とコンクリートを細かく砕いていきます。
基礎コンクリートの解体を進めながら、それと並行して搬出も行っていきました。
【7】荒整地を行い、次の作業に備える
基礎の搬出までが完了したら、搬入出や重機の作業スペース確保のために荒整地という整地を行っていきます。
しっかりとした整地を行っても、このスペースはまだ重機で作業をする可能性が高く、そうなった場合、最終的にまた整地をしなければなりません。
なので、この時点では荒整地で留めておくこととし、すべての解体が終わった段階で全体をしっかりと整地することにしました。
まとめ:作業自体はスムーズだったが、スレートの取り扱いに関しては特に細心の注意を払った
今回の現場は、強風などありましたが、立地条件も良く、作業自体はスムーズに進めることができました。
しかし、各倉庫の屋根がスレート製だったので、その部分ではどうしても慎重に作業する必要がありました。
この後は、住居棟の解体に移ります。
最後まで気を抜かず、安全な作業を心がけてまいります。
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