工事の種類:解体工事
工事の地域:大阪府四條畷市
建物の種類:木材と土、竹と漆喰などで造られた小屋2棟
施工面積:約50㎡

大阪府四條畷市に建つ、とても古くからあるという蔵を2棟解体しました。

周囲の駐車場の権利も蔵の持ち主さんが所有しておられたので、一部のスペースをお借りして、作業車を停めることができました。

蔵の中の物は、解体工事の着工前におおむね片付けられています。

解体する範囲に丸太足場を建てる

蔵の外観は1つにくっついて見えますが、内部は分かれています。

見た目でも違いが分かりやすいですが、右の方が少し新しい蔵、左の方がかなり古い蔵です。

まずは、右の新しめの蔵から解体工事を進めることになりますが、その前に丸太足場を組み立てて、防音シートをはりめぐらします。

駐車場は貸出しているものなので、万が一飛散物が停めてある車に当たってしまったら大変です。

そのため、きっちりと念入りに養生することを意識しました。

 

防音シートで囲み終わった後

約50㎡の解体範囲を、丸太足場と防音シートでぐるっと囲った様子の写真です。

今回は許可を得て、駐車場のアスファルトに小さく穴を開けさせていただき、丸太足場がよりしっかりと自立するように、補強を入れることができました。

もちろん穴を開けたアスファルトは、後に新しいコンクリートで埋めてキレイに補修を行います。

2棟の蔵のうち、右側の新しめの蔵から解体工事を開始

右の蔵 解体工事進め中

解体工事のための準備が完了したら、さっそく解体工事に取り掛かります。

まずは、右側の比較的新しい蔵(それでも築年数はかなり経過していると見られました)の解体工事から進めていきました。

蔵は漆喰・土・竹・芦(あし)などを使った、古風な造りになっていました。

 

蔵の解体中

解体を進めていく工程では、木や土を中心とした廃棄物が大量に出ています。

古い蔵は、柱の上に「ドン!」と屋根が載っているような造りになっていることが多く、今回解体した2棟の蔵もそうでした。

そこでまずは、万が一崩落した時の危険度が高い、蔵の重たい屋根部分を慎重に撤去しました。

その後は、蔵の内部の解体を進めていきますが、”今、抜くべきではない柱を間違って抜いてしまう”と蔵が一気に倒壊してしまうおそれがあるため、解体順序にはかなり気を遣いました。

特に今回の蔵は築年数が古かったので、ボロボロと急に崩れるところがないように、より解体の手順には慎重さが求められました。

1棟目の蔵の解体が終わったら溜まった土を搬出

1棟目の蔵解体完了

解体を進めていく工程では、木や土を中心とした廃棄物が大量に出ています。

1棟目の蔵の解体完了後は、地面が少し盛り上がるくらいに土が溜まりました。土壁を解体する際に出た細かな土が、堆積するためです。

地面が盛り上がっていて不安定な状態のまま、2棟目の蔵の解体工事に移ると、重機を動かしにくく、最悪の場合は横転する危険性もあるため、まずは平らな状態になるまで土を運び出しました。

1棟目の蔵よりもさらに古い2棟目の蔵は、より慎重に解体工事を進める

散水しながら2棟目の蔵を解体

1棟目の蔵の解体が完了し、大量の廃棄物を搬出して、重機の稼働範囲の安定性が確保されたところで、1棟目よりもさらに築年数が古い2棟目の蔵の解体に進みます。

上の写真は、外壁の漆喰を撤去しているところです。大量の土に紛れて、竹が組まれているのが見えます。古い蔵ならではの構造です。

ほぼ土でできた古い壁を乾燥した状態で解体すると、大量の土埃が発生してしまうため、常に散水を行って土壁に水分を含ませながら、解体を進めていきました。

散水により水分を含んだ土は、その重みのおかげで風で舞いあがりにくくなります。

 

2棟目の蔵の内部

2棟目の蔵の内部です。

もう片付けが済んでいますが、とても古い書物がたくさんあったので、かなり歴史が深い蔵であることが分かりました。

 

2棟目の蔵の解体途中

1棟目の蔵と同様、蔵全体のバランスを見て崩す順番を間違えないように、解体作業を進めています。

 

2棟目の蔵の最後の方

2棟目の蔵の解体工事が、ほぼ最終段階まできている状態です。

蔵の縮小に伴い、強風のあおりを受けないように防音シートもひとまわり縮小しました。

 

蔵の解体工事後の搬出

2棟目の蔵の解体後も、木の廃棄物が大量に出ました。

崩れないようきれいにトラックの荷台に積み込み、搬出しています。

基礎代わりに埋まっている地中の石を掘り出す

地中の石を掘りだしている所

蔵の建物部分の解体工事完了後は、地中に埋まっている基礎を撤去します。

“地中の基礎”とはいっても、一般的な住宅の基礎にあるようなコンクリートが広く埋まっているわけではなく、大きな石が蔵の支えとしていくつか埋められている状態です。

それぞれの石は油圧ブレーカ―で砕くほどの大きさ・重さではなかったため、重機で掘り出したらそのままトラックの荷台に載せて、運び出しました。

 

解体工事完了後

一部駐車場のアスファルトの撤去・コンクリートブロック塀の撤去も行っており、ここまでで”今回の蔵の解体工事の工程は”完了です。

基本的な解体工事では、地面の締固めなどの整地を行った後、重機や工具等を撤収して工事は完了ですが、今回はそうではありません。

実はこの後すぐに、同じ場所に新しく造る倉庫の基礎工事、ガレージ土間およびコンクリートブロック塀の復旧工事を行っています。

基礎工事および復旧工事は、それだけでも工程がたくさんありますので、次の記事でその流れを詳しく紹介します。

近年ではあまり見かけないような築年数の古い蔵だったため、倒壊しないようにかなり神経を使う必要がありましたが、問題無く次の倉庫を作るために必要なキレイな更地にすることができました。

 

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