工事の種類:切り離し解体工事
工事の地域:大阪府大阪市東住吉区
建物の種類:木造2階建て住宅
施工面積:約100㎡
大阪市東住吉区で、壁と壁がくっついている、木造2階建て住宅の解体工事を行いました。
写真のように、2つの住宅の外壁が、ぴったりとくっついています。
二棟は持ち主が違う完全に別の住宅なので、残る方の住宅の外壁を傷つけないようキレイに切り離し、解体する必要がありました。
以降で、切り離し解体工事の流れを説明していきます。
丸太足場を組めない面は3×10板(さんとうばん)とブルーシートで養生
写真に写っているのは、隣の住宅とくっついている方とは逆の面です。
また別の住宅のアルミフェンスが、解体する木造住宅から10cmも無いところに立っているため、丸太足場を組むことができませんでした。
その代わりとして、アルミフェンスより高い位置に横向きの丸太だけ組み、それを支えとして3×10板(さんとうばん)を設置しています。
さらに、その内側にブルーシートをはって、丸太足場と防音シートによる養生と同じ役割を持たせています。
解体工事時の騒音や、粉じんの飛散を抑える効果があります。
重機が使えない木造住宅2階は手作業で解体
重機を使った解体は、くっついている建物の切り離しが完了してからでないと、進められません。隣家を傷つける可能性があるためです。
そのため、切り離しに至るまでの解体は、すべて手作業で進めています。
写真は、1番最初に取りかかった木造住宅2階の内装の解体時の様子です。
バールやノコギリを用いて、2階の内装を抜いていきました。
木造住宅2階の内装の解体が終わったら、屋根の解体撤去を行います。
今回解体する木造住宅の屋根瓦の種類は、スレート瓦でした。
スレート瓦の上は滑りやすく危険なので、写真のように板で足場を作っています。
写真は、木造住宅の屋根の解体・撤去が半分くらいまで進んだ様子です。
木造住宅2階の柱と梁、そして外壁を解体
2階の内装、屋根の解体撤去が終わったら、柱、梁、そして外壁(隣家とくっついている面を含む)の解体に進みます。
引き続き、解体作業は手作業で行いました。
隣家とくっついている面の外壁を、ノコギリなどを用いて切り離し解体した後の写真です。
壁際の解体については、万が一にも隣の家の壁を崩すことがないよう、とにかく慎重に作業を進めていきました。
隣の家の外壁は、後に補修を行うのですが、この段階でできるだけキレイな断面で切り離しておきます。
木造住宅2階の柱や梁、外壁の解体が終わったら、抜ける範囲の2階の床(1階の天井)を抜いて、1階の解体工事に移ります。
木造住宅1階の隣家との接触面を切り離し解体
木造住宅1階の解体工事は、隣家とくっついている部分の切り離し解体から始めます。
“切り離す”というと、数センチ間を開けるだけのイメージを持たれている方がいらっしゃるかもしれませんが、写真のようにしっかりと間隔を開けて切り離します。
この切り離し解体作業も、2階と同じくノコギリなどを使った手作業で行いました。
切り離しが完了したら、隣家の外壁をブルーシートで養生します。
この段階で、くっついていた2つの家が完全に切り離されたので、以降の解体作業でようやく、重機を使用することができます。
木造住宅の1階部分と基礎を重機で解体
木造住宅の切り離し完了後は、現場に小型重機(3トンクラス)を入れました。
切り離し後に残った1階部分を、効率よく解体していきます。
木造住宅の建物部分の解体が、おおむね完了した様子です。
解体で出た細かい廃棄物の回収・分別・搬出を行い、木造住宅の基礎の解体に移りました。
写真は、木造住宅の基礎を重機で掘り起こしている様子です。
建物部分と違い、基礎は独立していましたので切り離しの必要はなく、造りもそこまで強固なものではなかったので、解体・撤去作業は比較的スムーズに進みました。
基礎解体で掘り起こした土を埋め戻し、隣家の外壁を補修
基礎解体・撤去の完了後、掘り起こした地面を埋め戻して、表面をキレイに均して締固めました。
埋め戻しの完了後、隣家の切り離し面は、写真のように補修されました。
外壁補修には、板金(ばんきん)と呼ばれる金属製の薄い板が使用されています。
隣家外壁の補修が終わったところで、今回の木造2階建て住宅切り離し解体工事は完了しました。
壁の切り離しを慎重に行うことが今回の解体工事のポイント
今回の解体工事の1番のポイントは、やはり”壁と壁の切り離しを丁寧に行ったこと”にあります。
手作業でも、おおざっぱに解体を進めてしまうと、勢いあまって隣家の外壁を壊してしまう危険性があります。
解体が進んで、隣家との境界に近づくに従い、より慎重な作業が求められました。
また、2階部分の解体をすべて手作業で行う都合上、高所での解体作業が続くので、落下などの事故がないよう、作業員全員で気を付けました。
作業員全員が安全に対してきちんと意識を持つことで、今回も無事故で切り離し解体を完了することができました。
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