工事の種類:解体工事
工事の地域:岸和田市
建物の種類:木造2階建て住宅
施工面積:約77㎡

大阪府岸和田市に建つ、推定築30年の木造住宅の解体工事を行いました。

昔の長屋造りに見られたような、奥行きが広く・横幅が狭い住宅だったので、解体作業にあたって、大きな動き(重機のアームの旋回など)をするその都度、足場にぶつからないように注意を払っています。

木造住宅正面から見て、右手は広いパーキング・裏手には川が流れる

木造住宅の立地状況

まずは丸太足場を組んで、粉塵の飛散を抑制するための養生シートを、解体する木造住宅を囲むように張りました。

上記写真でも分かるように、住宅正面から見て右手は、広いパーキング(駐車場)になっています。

 

左手には住宅が隣接している状況ですが、どちらか片側だけでもスペースが広いと、正直なところ少しだけ心に余裕が持てます。

工事における最重要事項と言える、周囲の安全確認の難しさが、若干は抑えられるからです。(もちろん安全確認を怠るという訳ではありません。)

何にせよ、木造住宅の立地上の好条件を活かして、工事をできるだけスムーズに進めていこうと思いました。

 

ただ、組んだ足場と住宅で隠れているため、写真では確認できませんが、解体する住宅のすぐ裏手は、ネットフェンスを挟んで川が流れています。

この”川があること”を踏まえた、工程上の注意点は、もう少し後で説明いたします。

屋根瓦およびルーフィングシートを手作業で撤去

重機を使った解体作業に入る前に、手作業で屋根瓦を撤去しています。

屋根瓦の下には、防水用のルーフィングシートが敷かれてありました。

ルーフィングシートはルーフィングシートで、屋根瓦や木材とは別に分別して廃棄する必要があるので、これも先に手作業で剥がしてしまいます。

 

まれに、ルーフィングシートの劣化が進んで、液状化したシートが屋根材にへばりついている住宅があります。

その場合は、手作業のみでのルーフィングシート撤去が難しく厄介なのですが、今回解体する木造住宅の屋根瓦下に敷かれたルーフィングシートは、割合綺麗な状態を保っていました。

屋根材にべったりとへばりついている部分はほぼなく、素早く撤去が完了しています。

木造住宅の解体に使用する重機の動きは、”右旋回”を基本にした

屋根瓦、およびルーフィングシートの撤去など、手作業でやる作業が完了したら、重機解体に進みました。

 

木造住宅の解体の順序自体は、他の住宅を解体する場合と大差はなく、建物の自立のバランスを見ながら、倒壊の可能性がない(建物の自立性を損ねない)順序を、いつも通り徹底しています。

ちなみに柱や梁ですが、築30年という割には劣化が少なく、かなり丈夫であったため、予期せぬ倒壊のおそれが低く、解体作業は進めやすかったです。

 

 

重機解体中

今回の解体工事現場において、特別気を付けたのは、重機の動かし方です。

敷地の横幅が狭いため、重機のアームが丸太足場に接触、その影響で足場が外側へ倒れたり崩れたりしないよう、慎重になることはまず大前提です。

 

そのうえで、”重機を旋回させるときは極力、右回り”を意識しています。

その理由は、右側がパーキング(駐車車両が少ないので、ほぼ空き地)だからです。

 

本当に万が一、あってはならないことですが、重機が足場に接触してしまった場合に、建物の損傷・住民のケガの危険性が高いのは明らかに左側(住宅が隣接している側)です。

「右側の足場になら重機が接触してもいい」ということでは、もちろんありません。

 

しかし“万が一の場合に、被害が少ないのはどちらか?”を考えると、やはりガランとスペースが空いている右側の方であることは事実です。

そのため、重機はなるべく敷地の左寄りに配置して旋回スペースを確保、そのうえでなるべくアームをできるだけ右旋回にするという工夫を行っています。

 

 

解体工事の進捗

ちょうど、木造住宅の縦半分くらいまで、解体が終わった頃の様子です。

 

 

建物部分終盤

重機について、”なるべく右旋回”を意識し続け、建物部分の解体工事を進めている工程の終盤の様子です。

建物が小さくなるに従い、風の影響を受けにくいよう防音シートの面積も少しずつ狭めていくのは、他の解体工事でも常に行っていることです。

川に近い地面が崩れないように万全を期しつつ、基礎解体を完了させた

アタッチメントを交換

木造住宅の建物部分の解体が完了したら、地中に埋まっている基礎解体に移っていきます。

重機のアタッチメントをバケットに交換して、作業開始です。

 

 

ミンチ撤去中

さて、木造住宅の建物部分がなくなったので、ようやく住宅の裏手が見通せるようになりました。

写真では遠くて分かりにくいかもしれませんが、緑のネットフェンスの先に、冒頭で述べた川が流れています。

 

今回の木造住宅の場合、基礎コンクリートを取り出すのに、地面を60~80cm掘り下げる必要がありましたが、その際特に細心の注意を払わなくてはいけなかったのが、川の境界にあるネットフェンスぎりぎりの地面に対する作業です。

川に近い地面を注意なく深く掘ってしまうと、“土砂崩れ”のように、一気に川の方へ地面が崩れていくかもしれません。

 

“土砂崩れ”のような事態が発生すると、川の汚染をはじめとする周辺への被害はもちろん、重機の転倒による大事故の可能性も考えられるので、とにかくネットフェンス(川)に近い範囲の作業は慎重に、従業員複数人で常に状況を確認しあいながら、作業を進めていきました。

川に土を落とさないように整地を行い、解体工事完了

整地完了-min

基礎コンクリートの撤去後は、掘り起こした土を埋め戻します。

そして、施工範囲全体の敷均し・締固めも行うのですが、この際も川へ土が落ちないように気をつけていました。

 

そして無事、岸和田市木造2階建て住宅の解体工事は完了です。

立地条件上、助かるところも難しいところもありましたが、特にこれといった滞りはなく、安全かつスムーズに工事を完了させることができたので良かったです。

 

岸和田市で木造2階建て住宅の解体工事を安全に行うなら、阿川建設にお任せください。